新型コロナウィルスで収入が無くなった海外カメラマンが副業ストックフォトに取り組んでみる
リアルタイム実体験談 #5
ストックフォト:記事一覧
今回のお題目
・芸術作品か遺跡か:アート作品プロパティリリースの不足
・人物が写りこんだ写真:モデルリリースの不足
・ロゴ・メーカー・看板:商標表示
・周辺減光:ノイズ / フィルムグレイン
・ISOノイズ:ノイズ / フィルムグレイン
・ピント面の広さ深さ:フォーカス
・判別しにくい似た写真:類似コンテンツ
こんにちは!バリ島在住日本人カメラマンのくまっちです。
神々の棲む島バリ島から在住日本人カメラマンが、日々撮影しているウェディングやハネムーンのお客様の写真を中心に、ガイドブックに載っていない普段のバリ島の日常風景などをご紹介。
気になる最近のお天気の様子も含め、出来るだけリアルタイムな情報をお届けしています。
前回の記事、
の続きです。
テスト申請した12枚は全て承認され、気分良く追加申請。
ハードデイスクから過去にブログ用として撮影した写真317枚追加。
翌日には全て審査が終わっていましたので、確認すると・・・
承認されたのはなんとたったの121枚のみ。
が~ん!!
承認率は100%から一気に38%に急降下・・・
誰だ~!シャッターストックは審査が緩いって言ってた人!!
自信を失いつつも却下の理由を1枚1枚確認・検証していくとほとんどの理由は明確でした。
すぐに自信を取り戻し(早)、今後新たに撮影・現像するにあたっての注意点をまとめてみました。
芸術作品か遺跡か:アート作品プロパティリリースの不足
却下×
上の2枚はオゴオゴ(ねぶた祭りのようなバリ島の宗教行事)の人形、3枚目は交差点にあったオブジェです。
却下の理由はアート作品プロパティリリースの不足。
どういう事かというと、”芸術作品についてはコンテンツ製作者からの使用許諾書を添付してくださいね”という事です。
対して下は承認された写真
承認○
ぱっと見た感じだと却下された写真と同じようですが、これらはアートではなく遺跡等の古いものと判断され承認されたよう。
これ以外にも似たような写真をかなりの枚数をUPしましたが、オゴオゴは全却下、石像は全承認。
上の却下の3枚目に似た写真で承認されたものもありますし、逆に承認の1枚目に似た写真で却下されたものもあります。
ボーダーの判断基準は審査する人によって多少の揺らぎがあるように感じられました。(AIを併用しながら最終的には人の目で判断されていると思われます。)
対策・考察
芸術作品の権利消滅の法律は世界中まちまち。(ちなみに日本では製作者死亡から50年)
製作から100年位経ってそうにみえるものは問題なく通ります。(石像・寺院等)
アート作品プロパティリリースが必要な”オゴオゴ”などは全然販売されてないので、逆にしっかりと承諾書が取れれば売れやすい写真になるかも。
人物が写りこんだ写真:モデルリリースの不足
却下×
微妙な横向き
後ろ向き
顔が写ってない
人がちっちゃい。
これらの写真は全て却下でした。
却下の理由は、モデルリリースの不足。
人物が写っている写真についてはモデルからの使用許諾書の添付が必要という事です。
顔が写っている写真に関して使用許諾書の添付が必要なのは当然として、ここまで厳しいとは思っていませんでした。
ちなみにモデルリリースなしで承認された人物が写っている写真は今のところ以下の2枚のみです。
承認○
対策・考察
人物が写っている写真に関しては、審査がかなり厳しめです。
こちらも承諾書が添付できるなら、売れやすい写真になる可能性が高いと思います。
ロゴ・メーカー・看板:商標表示
却下×
最初気が付かなかったのですが、問題は絵ではなくて鉛筆の方でした。
鉛筆部分を拡大してみるとばっちりメーカーロゴが入っています。
ネックレスや指輪等に拡大しないと気が付かないようなロゴが入ってる場合もこの理由で却下されてしまいます。
却下×
マレーシアで撮影したこの写真なんかも拡大しないと気が付きませんが、
ビルか車のどちらか(または両方)の文字が問題になったと思われます。
高解像度のカメラで街を撮ったらほぼ全部この理由で却下されてしまいそう。
編集で全部消せばクリアできそうですが、効率悪いので街は避ける方向で。
却下×
今回の記事のトップ画像用に撮ったこの写真。
ついでにこれも申請してみたのですが、見事に同じ理由で却下。
ちなみにこの写真のカメラ、レンズのメーカーロゴは全て編集で消しています。
販売サイトで”カメラ”で検索したところ、表示されるのは骨董品のような古いカメラやイラストがほとんど(一部メーカー名の入った写真もありましたが、たぶん承諾許可書を添付したのだと思います。)
直接ロゴが入ってなくてもメーカー名が判るようなものは承認されないようです。
対策・考察
こちらも審査厳しめ。
高解像度のカメラでは街の中の小さな看板でもばっちり読めてしまいます。
編集で消していく方法もありますが、時間効率が悪いので、町の広い写真は基本撮らない方向で。
周辺減光:ノイズ / フィルムグレイン
却下×
市場で撮った唐辛子の写真です。
判りやすいよう強調してしていますが、写真の四隅が暗くなっているのが判りますでしょうか?
これが周辺減光です。
レンズの解放値付近で撮影すると顕著になります。
承認○
この周辺減光はカメラ側の設定や現像時に補正してあげれば上の写真のようにかなりフラットに修正する事が可能です。
却下×
そして逆方向に補正すると四隅はかなり暗くなるのですが、この手法はトンネル効果といって、写真の真ん中に視線を集めたり、古いレンズの雰囲気を出したりと、現像の際よく使われる手法でもあります。(上のサンプル写真は大げさに編集しています。)
実は自分のブログ写真では、暗い場所で撮った朝市とか夜のレストランのお料理写真とか、雰囲気を出すために手癖のようにこういう編集をしていました。
そしてそんなブログ写真をメインに今回承認申請を出したので、これが原因でことごとく却下。
相当な枚数がはじかれてしまいました・・・
たぶん2枚目の四隅をフラットに補正した写真なら承認されると思いますので、再申請して結果をみたいと思います。
追記:後日再申請、無事承認されました。
対策・考察
購入者が写真をどう切り取って使うかはわからないので周辺減光のある写真は×
販売する写真はできるだけフラットに現像を。
ISOノイズ:ノイズ / フィルムグレイン
却下×
写真では明るく撮れていますが、現場はかなり暗く、ISO感度を上げてとった1枚です。
一部拡大してみました。
通常ならそれほど気にならないレベルのノイズだと思うのですが、審査ではこのISO感度ノイズはかなり厳しめになっている印象です。
対策・考察
高ISOノイズに関しても審査厳しめ。
暗い場所でのISO頼りの撮影は避ける、ストロボ併用でISO下げる、編集で減らす等の対策が必要。
ピント面の広さ深さ:フォーカス
却下×
こんなピント範囲が狭く浅い写真もかなりの数が却下されました。(自分は好きなんだけど。)
似た系統の写真でも、もう少しピント範囲が広ければ承認されていますので、ここまでやっちゃダメだよ!っていう参考写真です。
対策・考察
一眼レフならではの背景がボケたソフトフォーカス写真は人気ですが、やりすぎははじかれます。
判別しにくい似た写真:類似コンテンツ
却下×
同じような写真を何枚か申請した中から類似コンテンツとして却下された1枚です。
疑問なのは、
承認○
こっちの2枚の写真の方がよっぽど似ているのに問題なく無く承認されていること。
”この素材はすでに寄稿または公開されている画像・動画クリップと酷似しています。”とありますが、これが他人の似た写真を指すのか、それとも自分の他の写真を指すのかもちょっと不明。
後日、上で承認された写真と全く同じものを色相だけ変更して申請したところ、これは問題なく承認。
色が違えば類似コンテンツにあたらない?
1枚の写真から複数枚の別の写真を生み出せる、そしてタグを付けるのが簡単なので、枚数を稼ぐには効率が良いかも。(売れるかどうかは別の話ですが。)
近いうちに何枚かこんな写真を撮影して色違いを複製してUPし、再検証したいと思います。
対策・考察
今回一番不明な点が多かったのがこの類似コンテンツによる却下に関して。
同じ理由で却下された別の写真も検討する限り、AIというより審査員の好み(?)で却下されているパターンが多そう。
(後日、日をあけて申請し直したら通ったなんて記事もちらほらみかけます。)
要再検討。
最後に
今回の記事は却下されないための対策・考察であって、いい写真、売れる写真というのとは別次元の話です。
でも承認されなければ、スタート地点にも立てません。
今回の反省を元に、撮影・編集を進めていきたいと思います。
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2020年4月29日/クタ、ジンバラン、ヌサドゥア方面
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