熊澤充のバリ島撮り尽くし
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早いもので今年ももう12月に入ってしまいましたね。
近頃は、年末年始をバリ島で過ごすお客様から滞在中の過ごし方についてご相談をいただくことがあります。
年末年始のバリ島は観光客がどっと増え、ニューイヤーイベントなども開催され、いつもの何倍も盛り上がります。

とはいえ、私がそれを肌で実感したのはつい去年のこと。
私はバリ島に住み始めて7年になりますが、年末年始はふつうジンバランの自宅で過ごすか、日本に里帰りしていました。
クタ、レギャン、スミニャックといったニューイヤーホリデーに沸くエリアの実情はあまり知らなかったのです。

ですが去年の年末は観光客のように繁華街を楽しみました。
大学時代の友達が日本から遊びに来てくれたから、案内役を買って出たのです。
そうして観光客目線で、年末年始のバリ島の非日常ぶりを目の当たりにすることになったのです。

特に、あきらかにいつもと勝手が違ったのが、タクシーの利用についてでした。
そのときの体験をまとめてみました。

年末年始バリ島のタクシー

繁華街の夜はメインストリート以外にタクシーがいなかった


ガイドブック等では「バリ島の交通はタクシー移動が基本」と書いてありますね。
いつものバリ島では、だいたい街のどこででもタクシーが拾えて、快適に利用できます。

わたしもそう思って去年の12月30日、友達と一緒にスミニャックの街を散策したのです。
適当なところまでウィンドウショッピングしながら歩いて、マッサージ店に入り、そのあとタクシーに乗ってレストランまで行く計画でした。

マッサージが終わるころ、外は滝のようなスコール。
「ちょうどタクシーに乗るつもりだったからよかった♪」と思ったのもつかの間、待てど暮らせどやってきません。
お店の人が電話で呼んでくれたけどやっぱりだめ。渋滞でそこまで行けないと断られてしまうんです。
結局は傘をさしてレストランまで歩いたのでした。

さらにレストランで食事を終え、タクシーを頼んだけどやっぱり来ない。
レストランスタッフに教えてもらった裏道を抜けて、そのあたりでは大きなストリートの「ラヤ・クロボカン通り」に出ました。
そこで通りかかったタクシーを拾い、ホテルへの帰途につきました。

この時期は基本的に、繁華街のメインストリートにタクシーが集中しています。
小さな裏路地や、一方通行の道では非常にタクシーが拾いにくいです。

でもレギャンやスミニャック、クロボカンの街って、くねくねした細い道に素敵なお店や隠れ家レストランがあったりするんですよね。
繁華街の街歩きを楽しみたい人は、タクシーが拾えなくても困らないよう準備してでかけるのがおすすめです。
折りたたみ傘と地図(紙でも、スマホでも)はマストですよ。
スマートフォンのマップにバリ島の地図をあらかじめダウンロードしておけば、オフラインでもGPS機能が使えて便利です。

繁華街の外はタクシーが全滅だった


12月31日、大晦日。
私たちはジンバランの自宅からアヤナリゾートに出かけようとしていました。
カウントダウンイベントを冷やかしに行きたかったんです。

まずは、スマホアプリから呼べる個人タクシーの【Grab Car】を使おうとしたんです。
いつものバリ島ならスマホ画面上に空車のタクシーがたくさん表示されて、予約ボタンをタップすれば数分でうちまで迎えに来てくれるはずなんです。
しかし、この日は何度予約ボタンをタップしても「リクエスト受け付けられませんでした」というメッセージが出てしまいました。
対応できる待機ドライバーが周辺にひとりもいないんです。

そこで私は初めて、年末年始のバリ島では繁華街だけでなく、ジンバランのような場所でもタクシー不足が起こっていることを知りました。

アプリのタクシーが使えないときは、頼みは昔ながらの王道、ブルーバードタクシー。
ブルーバードの配車センターに電話してみました。

すぐにオペレーターが出て、タクシー予約を受け付けてくれました。
しかし、「待ち時間が40分ほどですが大丈夫ですか?」の確認付きで。
そのぐらいなら仕方がない、とお願いしました。

ところが、それから1時間以上たってもまだタクシーが到着しないんです。
再びオペレーターに電話をかけ、あとどれぐらいかかるのかと聞くと、そこからさらに1時間以上かかると言うのです。
オペレーターの話では、タクシーはまだ向かっている途中で、クタにいるのだとか。

あんまり待ってると新年になってしまう。。。
さすがに諦めて、カウントダウンイベントには自分でバイクを運転して出かけました。うしろに友達を乗せて。

来年の年末年始、出かける用事ができたら絶対に前もってチャーター車を確保しておこう、と心に決めました。

「この店のディナーをしたい」「この店でカウントダウンを過ごしたい」など、すでにやりたいことが決まっている人は、ぜったいに往復のアシを確保しておいたほうがいいです。
そうでないと、「ホテルに無事帰れるか帰れないか」で新年の運勢を占うことになってしまいますよ。

日本から予約しやすいものだと、たとえばJTBのチャーター車サービスがあります。
【バンorアルファード貸切チャーター観光】一般ガイド or トップガイドから選択 <現地ガイド 日本語可>by JTB

交渉タクシーが幅をきかせていた

よくバリ島のガイドブックには、「タクシーに乗るなら絶対にブルーバードタクシー。メーター制で安心」と書かれていますね。

いつものバリ島なら、たまたま拾ったタクシーがブルーバードの確率も高いし、ブルーバード以外のタクシーだってまあまあメーターを使ってくれます。

でもね、年末年始のバリ島は事情が違います。
前述のようにタクシーを拾うこと自体が難しいし、その中で「ブルーバードを選んで…」なんてことはなかなか言ってられません。
私は去年の年末年始のあいだに4回タクシーを拾いましたが、ドライバーはみんな当然のように固定価格を持ち掛けてきました。
だいたいは、「レギャンの中なら5万ルピア(約400円)ね」みたいなかんじです。

個々のケースによりますが、短距離の場合、メーター料金にくらべると100円~300円くらい割高になるのかしら。

ここから交渉して、5万ルピアを3万ルピアに負けさせる、というような光景はバリではふつうです。
ただ、この時期は「年末年始だから特別」「渋滞してるから値引きできない」と強気のタクシーが多いですね。

バリ島のタクシー運転手がメーターを使わず、固定料金をもちかけてくることはごく普通です。
これ自体はぼったくりでもなんでもありません。

もしあなたがバリ島で交渉タクシーに乗ってしまったからといって、「悪い運転手の車に乗っちゃった!」と過度に怖がったり、「不当な扱いだ!」と怒る必要はぜんぜんありません。

値段に納得できなければ根気よく交渉するか、冷静に「メータープリーズ」と言い続けるか。
車を降りて次を探すという選択肢もありますが、年末年始の状況では、きっと次のタクシーも交渉をもちかけてきそうですね。

ちなみに私は、短距離で友達も一緒だったら、めったに値下げ交渉はしないです。
せっかくバリで時間を過ごしてるんだから、ドライバーと運賃の話に時間を取られるくらいなら、友達とおしゃべりしたいじゃないですか。

私のタクシー交渉体験談

バリ島旅行情報ブログ『バリ旅行のみかた』のホリさんが、メータータクシーと交渉タクシーについて面白い記事を書かれてます。
保存版!バリ島の安心メータータクシー【ブルーバード】の見分け方!

曰く、「ブルーバードの運転手は安心だが、公務員風で味気ない面もある。交渉タクシーのドライバーは個性がバラバラで、人間味がありおもしろい」

言われてみれば確かにそう。
わたしは去年の年末年始、おもしろいキャラのドライバーにふたり遭遇しましたよ。

以下は、そのときの体験談です。

バリ島でこんなに暗い人も珍しい!薄幸の青年ドライバー

12月30日の夜、私は友達に付き添ってレギャンのホテルまで来たあと、ジンバランの自宅へ帰ろうとしていました。

ホテル近くまで私たちを乗せてきたタクシーは、ホテルよりも手前で「ここからさき一方通行で入れない!止まれない!ここで降りて!さあ今だ!」と道の真ん中で私たちを下ろし、走り去ってしまったのです。

まずは試しにGrabアプリでバイクタクシーを呼んでみましたが、電話がかかってきて「そこは一方通行エリアだから近づきたくない」と断られてしまいました。

タクシーを拾うにはホテルから出てまたメインストリートまで行くしかないのかなと思ってるところへ、奇跡が起こりました。

ふと見たら、ホテルのゲート前にタクシーがいたのです。
ちょうど乗せてきたお客さんを下ろして、また出て行こうとしているところでした。
「あーっタクシー!タクシータクシー!すいませんそのタクシー止めてー!」
叫びながら追いかけたら、ゲートの守衛さんがタクシーを止めてくれました。

若いのにとても物腰が丁寧なドライバーでした。バリ人ではなく、別の島からの出稼ぎにきた若者でした。

「マダム、どちらまででしょうか?」
「ジンバランまでお願いします、あ、メーター使ってね」
「マダム、ここからジンバランだと、このひどい渋滞ですから、メーターだとすごく料金が高くなってしまいますよ。40万ルピア(約3,200円)以上になってしまうと思いますよ。特別に35万ルピア(約2,800円)固定でどうですか」

こういうセールストークもあるのかーと感心しつつ、私のなかではジンバランまでせいぜい15万ルピアか20万ルピアだろう、というカンが働いたんですよね。

「いいのいいのメーターで。万が一高くなってもちゃんと払うからね」
そういうと、残念そうにメーターを倒すドライバー。

走行中も何度か「マダム、やっぱり固定料金にしたほうが…」と言ってきましたが、「メーターで大丈夫!」と押し切りました。

このドライバー、おしゃべりはそんなに得意そうじゃないけど、サービスは義務と思ってるのかよく話しかけてくれるんですよね。
「マダムお仕事はなんですか?」
「撮影会社で働いているの。ウェディングの撮影が多いんです」
「いいですね。僕のウェディングフォトも撮ってもらいたいです」
「結婚の予定があるの?恋人はどんな人?」
「ははは…僕はこのとおり貧乏なタクシー運転手。好きになってくれる女性なんていませんよ…」

なんだそりゃw
バリ島で、こういう暗いトークをする人は初めて見ました。

結局タクシーがジンバランに着いたとき、メーターは15万ルピアほどを指していました。
私は賭けに勝った!
メーター通りきっちりの料金を支払った後、年末深夜労働だしチップをはずむことにしました。
ハッピーニューイヤーと言ってもう10万ルピア渡すと、ドライバーはすごく喜んでいましたね。来年は恋人ができるといいね。

(※バリ島にはチップ支払いの義務はありません、念のため)

疲れすぎか?5万ルピアおじちゃん

1月1日の夜、この日も友達と一緒にレギャンで夕食をとろうとしていました。
30日・31日の反省のもと、徒歩で行けるレストランを探していたのに、思ったより周辺に店がない。
そんなとき、運良くタクシーが通りかかったので拾うことができたんです。

でもこの運転手、なんだか最初からすごくカリカリしているんです。
年末年始はかき入れ時、連日忙しくてイライラしてたのかな?
50代くらいで、名前からするとバリ人のおじちゃんでした。

「どこまで!?」
「いやほんと近くなんですけど、そこの道まっすぐいったところにレストランがあるらしいから、そこで」
「5万ルピアだよ!5万ルピア!一銭もまかりませんからね、5万ルピアったら5万ルピア」
「誰も値切ってないじゃんw5万ルピアでいいから行っとくれ」

言い値に合意したのに、まだずっとカリカリしてるドライバー。
どうも私たちが降りたいと思ったところが、ドライバーの想定した範囲よりもほんの少し遠かったらしいんですね。
そうはいったって2メーターも走ってないはずです。

もっと払えとはさすがに言ってきませんでしたが、
「5万ルピアだってよ、ひどいじゃないか。ああ5万ルピア。なんで5万ルピア!?」
みたいな独り言でずっと怒ってるんです。
5万ルピア5万ルピアうるせえww

私たちは5万ルピア払ってさっさと車を降りたのでした。

まとめ

バリ島初心者さんも、リピーターさんも、年末年始はちょっと状況がトクベツです。
移動についてはちょっとばかり不便ですが、この時期しか味わえないバリ島の魅力があります。
前もって対策できることは対策して、素敵な年末年始ホリデーを過ごしてくださいね。

繁華街では歩ける範囲、行きたい場所の地図を事前にチェック
街歩きには折りたたみ傘を持っていく
細かいタクシー料金にいちいちこだわらない。交渉は運転手とのやりとりを楽しんで
出かける予定が決まっているときはチャーター車を事前予約

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